Thursday, October 13, 2011

書評|服部正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』 中央公論社 1972

 中央アフリカに位置するルワンダは、人口一千万足らずの内陸国である。近年では1990年~1993年に起こったルワンダ紛争がニュースとなった。

著者の服部氏は1965年から1971年にかけて、日銀からルワンダ中央銀行へ総裁として赴任した。本書は旧宗主国系官僚と企業による経済支配からの自­立を目指した外貨・金融管理と通貨改革や経済計画を通じ、貧困に喘ぐルワンダ経済を立て直す模様を記録している。

本書は人種的偏見ではなく、人間への信頼をベースにしたプロの仕事がどのようなものなのかを教えてくれる。また、徹底した現地の観察と考察を織り込み、中央銀行マン一流のタフネゴシエーションで白人の杜撰な経済支配へ斬り込んでいく政策立案過程も素晴らしい。

では、なぜ旧宗主国にも諦められていたルワンダ経済の立て直しに服部氏は成功したのか。一つの基本となる考え方が、まえがきに要約されていると思う。

「ある評論家は私にルワンダの人口、資源、国民所得、貿易の規模を聞いて、結論としてその国は到底経済的に自立できないと断言した。(中略)資源や国土の広さ等の不利な物理的条件も、人間の努力によって克服しうるということは、日本人ならば誰でも知っているはずである。」

これがただのガンバリズムではないのは、本書を読めば分かると思う。

評価:★★★

(★★★:とても良い ★★☆:良い ★☆☆:普通 ☆☆☆:好きな人向け)

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