オリンパスの粉飾決算の問題を眺めてきた。ニッチ市場で独占的シェアを持ち、高齢サラリーマン経営陣がおり、バブル崩壊時の損失処理で失敗した。日本そのものである。
事業は儲かっているが、負債を入れると資本を毀損して買収されるか倒産となる。長年勤めてきたサラリーマン役員はお家存続のために世間を欺いて負債処理を行う。事実が露見した段階で主君に申し訳が立たないと実行者が腹でも切れば歌舞伎が作れる。
社長は「世間に迷惑をかけた」と謝しながら、「(負債は隠したが)事業価値は毀損していない」と発表した。しかし、投資家は粉飾決算という詐欺的方法で損失を被った訳で、迷惑どころか企業犯罪である。また、事業価値の問題ではなく粉飾決算に対する責任と懲罰が問題とされている。社長の発言はズレている上、渦中の旧経営陣も取締役に残り続けている。
それでも日本の新聞は上場廃止には慎重であり、国内の機関投資家と持合い企業を中心とする株主は説明を求める程度で、粛々と損切りされるか、義理で持合いが維持されている。文字通りオリンパスは「この度はご迷惑をお掛け」しているのである。
欧米の投資家が言う「市場ルール」が優れているとは思わないが、行為-責任の関係が限りなく曖昧であり、国内の生保を始めとした大株主やメディアといった「古い組織」もなんとなく状況を追認していく。その煮え切らない状態こそ、失われた~年(まだまだ続くから「~」)の呪縛そのものではないかと感じる。
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