| 内容は平易です。 |
組織は人を評価はするが待遇で大きな差をつけない。若い時分は働きに対して薄給だけど、勤続が長くなるにつれ給与が上昇する。組織と人間の関係は比較的円滑で、損得の多少を別として人は与えられた役割を引き受けた。ある人はそれを社畜と名付けたが、生活する側にとってもそれなりに魅力的な制度であった。
以上は日本の多くの組織で見られる年功的人事処遇体系の特徴である。しかし、制度持続の前提は組織の継続的な成長と拡大であり、1990年代後半には多く企業においてその前提は潰えていた。
■成果主義という必要
城繁幸『日本型「成果主義」の可能性』は、ポスト成長時代の人事制度を考える一冊だ。筆者は成果主義をいち早く取り入れた富士通の人事担当者を務め、著書『内側から見た富士通』で180度とも言える制度的転換とその失敗を分析している。しかし、年功的人事制度の前提が崩れる中、過剰人員と過剰処遇を適正化し、年齢(職能)ではなく成果を生み出す力を機軸として人材活用を図りたいという意図が成果主義導入の裏にあることは間違いない。富士通の失敗は転換期の模索の一つに過ぎないのである。
(つづく)
城繁幸『日本型「成果主義」の可能性』 東洋経済新報社 2005
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