| 橋下徹・堺屋太一 『体制維新―大阪都』 |
大阪府と大阪市の二重行政による都市政策の不全により、大阪は教育・文化・経済の面で停滞し国際的な競争力を落としていった。橋下氏は、大阪府内の行政体を広域的な都市政策を行う「都」と住民サービスに特化した「区」「市」に再編することで都市政策を適正化し、大阪が国際的な都市間競争に「勝つ」布陣を整えようとしている。
大阪市解体の主眼は、都市政策を実施するには小さく、住民サービスを行うには大きすぎる大阪市と、大阪市域の都市政策にタッチできない広域行政体の大阪府を再編することである。
本書を読むと、橋下氏は政治家というより企業の社長風ではないかと感じる。目的合理性の貫徹を目指して、政治も利用する一方で、組織マネジメントもきちんと押さえている。報道される市役所との軋轢は、大阪市自体のマネジメント不全が正される過程で起こっているものだろう。例えば国旗・国歌で教員と揉めている問題も、思想・信条の自由に関してより、業務に対する服務規律の問題を取り上げているのではなかろうか。
以上のように、橋下氏は革命児や異端でもない。至極真っ当な仕事を行うために、合理的に事に当ったら現在に至ったようにしか見えないのである。舞台が行政であることがユニークだが、その実は企業家的存在なのではないかと感じる一冊。
評価:★★★ (★★★:とても良い ★★☆:良い ★☆☆:普通 ☆☆☆:好きな人向け)
寸評:マスメディアの報道ではさっぱりわからない橋下氏の考えがクリアなります。
参考リンク: amazon: 体制維新――大阪都 (文春新書)
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