本書は解説本のようなタイトルだが、
内容はホテル業界でコンサルティングを営む著者のエッセイである
。宿泊事情の変遷や、困ったお客様の生態、
楽天トラベルなどネット系予約サイトの登場による競争環境の変化
などがやわらかいタッチで描かれており、
経営的な話は後半に若干といったところ。
1990年代に40万室であったホテル業の客室数は80万室へと倍増した。そのほとんどがビジネスホテルである一方、高級ホテルも外資系の参入で多様化している。 新書全体を通した筋があるわけではないが、
高級ホテルがちょっと贅沢しに行くような気軽な場所となったり、
ビジネスホテルが仕事や旅行の一コマになったりと、
気付かないところでダイナミックに変化していた業界だったことに
驚く。
また、
日本の競争の激しさが結果的に世界の一流ホテルを格安で利用でき
るようにしてしまったのも、
この国のサービスマインドを考えると納得せざるを得ない。
贅沢の象徴であったり、清潔簡便な寝床であったり、様々なレベルでサービスの工夫が繰り返されるホテル業。業界の奥の深さと面白さがわかる一冊。
参考リンク:
牧野 知弘『なぜビジネスホテルは、一泊四千円でやっていけるのか』祥伝社 2012
評価:★★☆ (★★★:とても良い ★★☆:良い ★☆☆:普通 ☆☆☆:好きな人向け)
寸評:「ホテルの仕事が好きと」いう著者の心意気が伝わる一冊。
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