| 大泉啓一郎 『老いてゆくアジア ―繁栄の構図が変わるとき』 |
本書はそのような「人口の動き」からアジア経済の今後を探る。そして、タイトルに示された通り、アジア諸国は多産少死から少子高齢化へと移行する中で高い経済成長の時代が終焉し、膨大な高齢者の医療と生活をいかに保障するかという問題への対処に迫られることが指摘される。
しかし、少子高齢化の状況が今後生じるのは同じでも、日韓台のように先進国レベルの経済力で高齢化に入る国もあれば、中国、タイなどのように中進国水準で高齢化に入る国もある。それぞれの経済力や社会環境に見合った内容で、膨大な高齢者をいかに養うかを真剣に考える時代に来ている。
いずれの国も、国家が全てを養うことは不可能で、地域レベルで住民自身が課題を解決していく必要がある。本書は人口と経済の関係から始まり、国家的福祉の限界と対応策まで幅広く説いている。また、人口面を知ればそれぞれの国の成長の限界も見えてくる。経済的な勢いは国際社会における「力」の一つである。そういった意味でも価値ある一冊だ。
参考リンク:大泉啓一郎 『老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき』 中央公論新社 2007
評価:★★★ (★★★:とても良い ★★☆:良い ★☆☆:普通 ☆☆☆:好きな人向け)
寸評:人口的な側面から考えると、現代の社会環境の変化が非常に理解しやすい。
頭に入れておいて損はない良著。一般向けとしてはやや学術的匂いあり。
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